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【当日編】


  その日、いきなり我々は驚かされることになった。

  案内された部屋の扉を開けたら、弁当を食べているBellの姿が目に飛び込んで来たからだ。
そういったプライベートな光景は、コンサートに行ってもVCDを見ても余りお目にかかれるものではないし、ファンとしては目にすべきシーンではないかもしれない。

  とりあえず見なかったことにして、私は機材のセッティングに取りかかった。

  ここからは、てぃんさんが書き起こされたテキストをベースとして加筆した原稿を元に進めよう。

(転載を快く許可してくださった、てぃんろんとんさんに感謝いたします)

【参加メンバー (順不同)】
参加サイト名称 Webmaster名
Thai Popper's Paradise! さば さん(まとめ役として参加)
中國娃娃 関西支社 老爺 さん
亜名亜喜以 韻坐 亜細亜 てぃんろんとん さん
All About China Dolls alt
 
通訳 白田麻子 さん

【参加メンバー配置図】

インタビュー コメント
alt: まずお聞きしたいのが、「B/W」でプロデューサーが変わられたじゃないですか。それでその方と仕事をどのように進められたのか、スタイルを変えられたということなんですが、どのように今の「B/W」が作られたのか、簡単にお話いただけたらと思います。

HwaHwa: これまでの4アルバムは楽しいダンスミュージックという色合いが強かったんですけれども、「B/W」からは今までと違った「目新しさ」というものを出して行こうと思いました。

Bell: 特に歌とダンスの上達ぶりを見せるために例えば、スローバラードを増やしたり、ビートをちょっとひねったようなR&Bとかヒップホップと、ロック色を少し混ぜたような形で歌とダンスを引き立たせるような傾向の音楽にしてみました。

インタビュー中の2人。相手の目をしっかり見つめながら話すHwaHwaと、視線が合うと
サッと逸らしてしまうシャイなBell(我々が怖かったためではない……と、思いたい(^^;)。
とても育ちの良さそうな女性たちです。

遊撃手のつもりでいたのだが、なりゆきで最初の質問者に指名されてしまった。

時間も限られていることであるし、ここはまず彼女らが一番語りたいこと、つまり最新アルバムのことを最初に話してもらうのがベストであり、マナーでもあると考えた。

正直なところ私の興味は、どのようにB/W収録曲のスタイルが選ばれていったのか、そこにスタッフとの意見のぶつかり合いはあったのかなどにある。

特に、今回のプロデューサー氏は聞くところによると、腕利きらしい。
Muay nee kahからTing Nongまでを担当し、China Dollsワールドを作り上げた、Chebamnej氏や、China Daengのプロデューサー氏らとの違いも訊いてみたかった。
(このあたりはアルバムを聴き比べてみると、非常に面白い。スタッフによって、引き出されるChina Dollsの魅力は違ったものとなっているからだ)

できることなら曲作り・歌詞作りの段階まで突っ込んで質問してみたかったが、いかんせん
日本語(質問)→タイ語(質問)→タイ語(回答)→日本語 (回答)と、
2倍の時間がかかるわけだ。

限りある時間内では、質問内容もそれ相応に軽いものとせざるを得ない。
老爺: 日本のファンは私達のような年配の男性が多いですが……。

2人: (笑)

老爺: その事についてどう思われますか?

HwaHwa: (日本語で)うれしい!(*1)

Bell: (日本語で)うれしい!
それはうれしいことです。私達の音楽は男女問わず、世代を問わず広く受け入れられているという証拠だと思うんです。日本だけじゃなくて他の国に行ってみても小さい子供からその子の親の世代までが聴いてくれているんですね。私達の音楽って言うのが広い層のファンを幸せにしているんだなと感じます。(*2)
*1
HwaHwaは白田さんが翻訳する前に答えている。彼女の日本語ヒアリング能力は、かなり高い。

*2
China Dollsはデビュー当時から、幅広い世代に彼女らの音楽がウケていることを知って、自分たちの音楽を
「0歳から100歳までの音楽」
と称している。

今後もChina Dollsはさまざまな形で 「0歳から100歳までの音楽」を提示し続けてくれることだろう。
てぃん: 2年ほど前にバードがルークトゥンをやりましたよね。チャイナドールズはこれまでの作品で自分たちの音楽性を確立したと私は思っていますが、今回のアルバムで今までのスタイルをガラッと変えることによってこれまでのファンを失うとかと言う心配はなかったですか?
これまでのスタイルを引き継ぎつつやるとすればルークトゥン方面に進んだほうがスムーズではなかったかと思いますが、そこでブラックミュージックを取り入れたと言うことは音楽的な部分で元々そういったものが染み付いていたんでしょうか?(*1)

HwaHwa:
確かに今回スタイルを変えることで多少心配はあったんですね。今までのファンに気に入ってもらえるかとか。でもそれと同時に音楽スタイルを変えたのはファンの為という意味合いもあります。
というのも、これまでは楽しいポップスを歌う私達しか見ていなかったわけですから、そういったファンにもしかして今までに見たことがない私達の一面を見てみたいという欲求があるんじゃないかなと思いました。

Bell:
あと、「B/W」で今までの楽しい音楽スタイルが全くなくなったわけではなくって、ただ単にパフォーマンスの仕方が変わっただけで、元々の基本となるものは変わっていません。
ただ、そのパフォーマンスの仕方に、例えば、ダンスがもっと難しくなったとか、歌い方が難しくなったとかという面で、私達にとっては非常に挑戦的なことでありました。

HwaHwa:
元々ルークトゥンの音楽は得意じゃないの。ルークトゥンっていうのはもし、真剣に歌うとするとすっごい難しいでしょ? それこそP'Birdに付いて指導してもらわなくてはならないほど難しいと思います。

Bell: 元々ファッション性のある音楽っていうのは得意だったので、そちらを選びました。

HwaHwa:
日本の演歌だったら趣味として好きですね。

Bell:
(日本語で)HwaHwa好き

HwaHwa:
アハハハ!

alt:
どんなのが好きですか?

HwaHwa:
昔からの古い演歌じゃなくて、新しいタイプの演歌が出てきていますよね? そういうのがテレビで流れるときにメロディが聴きやすいんで聴くのが好きだし、ひらがなが出てくるので一緒に歌える。

alt:
それに関係して日本語を大学で勉強されていましたよね? 大学はもう卒業されたんですか?(*2)

HwaHwa:
はい。
*1
てぃんさんへ。
China Dollsの二人は完全に洋楽およびJ-pop志向でっせ。HwaHwaも言っているとおり、(今は)ルークトゥンには興味がないです。

もしやるとしても、以前JAMPが歌ったように、ルークトゥンのダンスpopアレンジとか、そういう一度咀嚼がなされた形になるのではないでしょうか。

*2
これは「新しい演歌とは、例えば氷川きよしですか?」 と訊こうとして、氷川きよしの名前が出てこなかったため、苦し紛れにした質問。完全に失敗だった。
alt: じゃあ質問をガラッと変えます。
中国語盤はいつ出されるんですか? その予定はありますか?

HwaHwa:
一応準備はしています。中国語の作詞とかレコーディングとかしています。

Bell:
「B/W」を4月に出したばっかりじゃないですか。だからタイではまだまだ激しくプロモーション活動が続いているんですよ。中国語のアルバムについてはちょっと後回しになって、いつ出すかははっきり言えません。

alt:
用意はされているのですね?

HwaHwa: はい。

alt: とても楽しみです。

Bell: 一応計画はあって、シンガポールや台湾など中国圏の方からも訊かれるから私自身も凄く出したいです。

alt:
私もせっつかれているんですよ、中国語版を出せって。何で私に言うのか分かんないんですけど(笑)

2人:
(笑)

Bell:
時間がかかるって言うのは、単に翻訳じゃなくて全く最初から作り上げるっていうことにあるんですよ。例えばダンスにしろ、ミュージックビデオにしろ全然違うマーケットなのでやり方も違いますね。
このあたりのやり取りは、ほぼ同時通訳。
白田さんの翻訳能力の高さに感激。この方は本当にすごいヒトだった。

タイ語の翻訳・通訳のお仕事は、白田麻子さんへ依頼することをオススメします。
老爺: テレビドラマで「風雲」(*1)を拝見したんですけれども、今それを撮ったときのことを思い出してそのときのエピソードでもあれば教えていただきたいです。

2人: いっぱいありますよ(笑)

Bell:
中国で撮ったわけなんですけれども、12日から14日間ぐらいで撮りました。行ったときはとにかく問題だらけで、あの時は大変だったけれども今となっては面白おかしく話せることですね。
撮影場所が都市じゃなくて(*2)、森の中で時代設定が古代の話しだったじゃないですか。昔の衣装なんか来たりして、王宮を造ったりして…とにかく現場は不便でした。食事にしろ、イスとかも用意してもらえなくて初めて行ったんで現場の雰囲気に慣れない。
森の中で勿論イスとかテーブルとかできてないんですけど、例えば、香港とか台湾とか中国の芸能人だったら現場の様子が分かってて自分たちでイス持ってきてたりとか、勝手が分かってるんですけども、私達タイの芸能人の友達は中国のドラマに出た人が誰も居ないんで何も事前の情報がないんですよ。
だから気が付けば、ボーっと立ちっ放し(笑)

HwaHwa:
食事する時もタイだったらおかず乗せご飯じゃないですか。向こうはおかず1つとご飯1つで、テーブルが無いから両手にご飯とおかずを持って「どうすればいいのかなぁ~」と思いながら何とか食べる場所を見つけてました。後もうひとつの問題がトイレが森の中になかったこと。だから朝から夕方まで我慢しなければいけなかった。
他の慣れている役者さんは、覆いかなんか作ってやってるんだと思うんですけど、Bellはスカートを履いていたのでまだちょっと離れたところにいけばいいんですが、私はズボンだったんで、ホテルに戻るまでずっと我慢していました。

老爺:
ほんとお疲れ様でした。

Bell:
今となっては笑い話です。

HwaHwa:
後、食事も凄く脂っこかったんで、毎日は食べられなくて「お腹一杯」って言って断ってたんですが、実はお腹が減ってて、部屋に戻って「ママー(タイの即席麺)」を食べてた(笑)
(日本語で)「もーいっぱい。でもママー」(笑)
でもブドウとイチゴだけはおいしかったんで部屋にキープしておいて食べたりとかしていました。(*3)

老爺:
お2人は悪役だったんですけれども、非常にチャーミングで、演技は素晴らしかったんですが全然悪役には見えませんでしたよ。

2人: アハハ(爆笑)

HwaHwa:
原作が香港の漫画で、元々私達の役っていうのはその原作には無い設定だったので監督が私達のために脚本を増やしてくれて「チャイナドールズ、中國娃娃」役で出たんですよね。(*4)
だから私達らしさっていうのは殺し屋の役だったんですけれども、楽しく踊ったりとかもともとの自分達らしさのスタイルっていうのはそのままだったんですよね。
本当は悪役っていうのは最後に死ななきゃいけないものなんですけれども、うちの所属会社の人は監督に「絶対に死なせちゃ駄目だ」て申し入れて、その結果悪役のボスだったのが最後にはいい人になって、皆に「いい人間になりなさい」て言ったという結末になりました。

身振り手振りを交え、熱く語るChina Dolls。よく笑い、よく語ってくれる2人でした。
*1
老爺さんが「ふううん」と発音されたので、たぶん通じないだろうと思い、feng yun(フォンユン)のことであると補足させていただいた。
feng yunと聞いてからの2人には、めざましい反応があったでしょ(笑)

タイトルはなるべく原題で読むべきである、と思った瞬間。

*2
四川省の楽山や浙江省の横店など、風光明媚な一方で生活には不便な場所で撮影が行われた。
主役級の俳優・女優は、自分専用のロケバスを用意していたそうだから、もしかしたらトイレはそちらに装備されていたのではないだろうか。

*3
このドラマの撮影中にHwaHwaは、「TomYam」の歌詞を書いている。きっかけはBellが作ってくれたTomYamで、ホームシックにかかったからだそうだ。

「よだれを流しながら詞を書いた」という彼女の言も、あながちジョークではないかもしれない。
もし、このときChina Dollsが食事に満足していたら、名曲「TomYam」は生まれなかったかも!?

*4
正確にはオリジナルにある「童皇」という役柄を変更して、「童皇雙娃(娃娃殺手)」という役柄を作りだした。
童皇雙娃は殺し屋集団のボスで、China Dollsも完全になり切って演じているのだが、いかんせん可愛いすぎる。衣装もピンクのフリフリだし(笑)

ちなみに設定が「子供に化けている殺し屋」なので、ドラマでの彼女らのセリフは全て、子供っぽい声に吹き替えられている。

下は千葉真一演じるところの悪の総元締「雄覇」と
ミーティング中の「童皇雙娃」。2人が手にしている人形が武器である。
人形を武器としたのは、もちろんChina Dollsというグループ名からの発想。
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大学を卒業し、時間が自由に使えるようになった二人は、今後ドラマなどへの出演も期待できるのではないだろうか。

以前、とあるファンがBWのMVになぜ主役として出演しなかったのかと、HwaHwaに質問したことがある。そのときの彼女の回答は「そのうちね」であった。
女優への関心はあると考えてよさそうだ。
てぃん: アジア各方面で色々活躍されていますが、今までいった国(*1)の中で一番観客の反応が良かった国、音楽的に一番影響を受けた国を教えていただければと思います。

HwaHwa:
影響っていうのは自分たちがその国の音楽に影響を受けたってことですか?

てぃん:
そうですね。というか、衝撃を受けた国というのはどこかと……。

Bell:
どこも反響が良くてどこが一番良いっていうのは言えないんですね。
日本に来ても皆コンサート来て歌って手拍子してくれて、初めて来る国なのでそんなに期待もしていなかったのに、いい意味で期待を裏切ってくれて温かく迎えてもらっています。他の国でもプレゼントとか貰ったり。

HwaHwa:
例えば日本では、今暑いからということで、団扇を買ってきてくれて気遣ってくれたり、シンガポールやマレーシアでは何日もいないので空港まで迎えに来てくれるとか…どこでもタイのアーティストで皆が知っているかという心配をいつもくつがえすように暖かく迎え入れてくれています。だからどこもいい国です。皆外国人なのにタイ語の歌を歌えたり中国語の歌を歌ってくれるのは凄く嬉しいですね。
*1
China Dollsがこれまでに仕事として訪れたことのある国は、
台湾、中国(香港含む)、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、そして日本の7カ国……だったと思う。

いずれの国でも、コンサート後、熱狂的なファンを得ることに成功している。
alt: 最後に日本のことを少し。(*1)

Bell:
前から仕事が暇になったら遊びに行きたいなと思っててなかなか実現できなかったんですが、今回両方(仕事と遊び)が実現できたんで嬉しいです。

HwaHwa: あと、人がどこでも親切で、それはファンだけじゃなくてスタッフや記者の方たちもいつも暖かく迎えていただいてて本当に嬉しいです。

alt:
気に入った場所や食べ物とかを簡単に教えていただけませんか。

HwaHwa:
とにかくショッピングができれば、セブンイレブンでもスーパーマーケットでもいいです。(*2)

Bell:
スーパーマーケットが好きで、日本のお菓子はすっごい可愛くて見るのが好きですね。(*3)

HwaHwa:
今日、京都に行って来て昔から今まで丁寧に古いものを日本っていうのはちゃんと取っているんだなって思いましたし、大阪城もほんと凄い綺麗だったので上ってみたかったし、お寺や神社とかも今回行ってみたかったんですけれども時間的に無理で、次回もっと時間があれば目一杯遊びたいと思っています。

alt:
何度でも来て下さい。

HwaHwa:
(お辞儀をしながら日本語で)ぜひ。ぜひ来ます。
日本は飽きない国で凄いあっという間の5日間でしたね。

2人:
(日本語で)どうもありがとうございます!
*1
日本のことを質問すべきと、さばさんからのsuggestionがありました。
ありがとうございます > さばさん

*2
台湾滞在時は、毎晩のようにコンビニへお菓子を買出しに行くのは有名な話。

*3
また、海外に行くとお菓子を買いあさることも、よく知られた話である。自分たち用だけでなく、おみやげとしても配っているらしい。


インタビューの感想と反省点
China Dollsはよくしゃべる
インタビュアーとしてこんなに楽な取材相手はいないかもしれない。能弁なHwaHwaはもちろん、おとなしそうに見えるBellも実はよくしゃべる。しかも2人で話題を膨らませながら話し始めるので、なかなか止まらない。

それはそれで良いのだが、時間に制限のあるインタビューでは質問意図を明確にして、話が脱線しないように誘導すべきと感じた。つまり、China Dollsの回答を聞いてから、補足質問するやり方は効率が良くない。

彼女たちは大変賢く(マネージャのフォローがないと語れない日本の芸能人とは大違い)、理路整然とした話し方をする(もちろん通訳者の白田さんのまとめ方がうまいからでもある)ので、関連する複数の質問はまとめて問いかけた方が良さそうだ。
HwaHwaはかなり日本語がわかる
白田さんが通訳する前に、HwaHwaが答え始めるシーンが幾度かあった。我々の質問をほぼ理解できているようだ。日本語を勉強しているのは知っていたが、どの程度会話ができるかまでは知らなかった。

今回のインタビューでの様子を見ると、我々質問者の言葉をかなり理解しているようだ。
簡単な言葉ではっきりと質問すれば、(あくまでも余興としてだが)日本語でのインタビューを試みることも可能だったかもしれない。その場合、BellにはHwaHwaから通訳してもらおう。
タイ語の必要性
今回は白田麻子さんというたいへん優秀なプロの通訳者がついてくださったので、不自由を感じなかった。
その一方で、China Dollsが何について話しているのか、せめて肯定なのか否定なのか断片的なニュアンスでもわかれば、次の質問へスムーズにつながるだろうと感じた。

China Dollsは会話に「瞬発力」のあるヒトたちである。ショートクエスチョン・ショートアンサー型のインタビューも面白そうだ。きっと打てば響くような回答が得られることだろう(編集も楽だし(^^))。

それには、タイ語を話せる必要はないが、多少なりとも聞き取れた方が圧倒的に有利である。

おしまい。

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